手作りソーセージキットというものを見つけて、軽い気持ちで試してみた。正直なところ、素人が作ったところで「まあそれなり」程度だろうと想像していた。けれど実際にできあがったものを口にしてみると、その予想は気持ちよく裏切られることになった。
作りたてのソーセージは、市販のものとはまるで別物だった。ジューシーさが際立っていて、噛んだ瞬間に広がる肉の風味が驚くほど鮮やかだ。味そのものが格別なのはもちろん、そこに「自分で作った」という事実が重なることで、さらにおいしさが増して感じられる。
工程自体は難しくはなかったけれど、肉をこねて詰めていく作業は想像以上に没頭できた。料理というより工作に近い感覚で、完成したときには小さな達成感があった。ソーセージというのはただの加工食品だと思っていたのに、手をかけるだけでこんなにも印象が変わるのかと感心してしまった。
今回のようにまずはキットから始めるなら、ソーセージ以外でも意外と手作りできるものは多そうだ。ベーコンやチーズ、あるいはパンやクラッカーのように普段は買うのが当たり前のものも、作ってみれば「できたての特権」を味わえるのかもしれない。次はベーコンづくりに挑戦してみようかな――そんな気持ちが自然とわいてきた。