このあいだ割り箸やストローをまとめ買いしてみて、思いのほか快適だった。その勢いで、今度はコットンを箱単位で注文してみた。化粧品売り場の片隅にあるような小袋ではなく、業務用みたいな大容量。届いたときはさすがに「多すぎたかも」と少し不安になったが、引き出しにしまってみたら不思議と安心感のほうが大きかった。
私は毎日スキンケアにコットンを使う。化粧水を含ませたり、たまに掃除の細かいところを拭いたり、出番は意外と多い。でも、ちまちまと買い足していたときは、最後の数枚になると「なくなりそうだから買わなきゃ」という小さな焦りが常につきまとっていた。大容量をまとめて手に入れてみると、その焦りが消える。たったそれだけのことなのに、気持ちが軽くなった。
しかも、大量に同じものがそろっていると、質感やサイズが統一される。これも意外と大きい。以前は「このブランドのは厚めで好き」「でも次は安いから薄いほうで」と、袋ごとに違っていた。引き出しを開けるたびにばらばらの束が並んでいて、どうにも雑然として見えた。それが今は、同じパッケージの箱がひとつ鎮座しているだけ。シンプルで、見た目にも落ち着く。
日常でよく使うけれど、人によってはまったく使わないもの。そういう中途半端な立ち位置の消耗品こそ、まとめ買いすると効き目があるのかもしれない。洗剤やティッシュのような「誰もが買うもの」なら、近所の店で安売りを探すのが当たり前だ。けれどコットンのように、自分だけに必要なものは、たくさん手元にあることでようやく「自分の暮らしのかたち」が見えてくる。
いまのところ、使い切るのはまだまだ先になりそうだ。でも、その「先が長い安心感」もまた悪くない。次は何をまとめ買いしてみようか。たとえば爪楊枝とか、ちょっと特殊な掃除グッズとか。日常の端っこにあるものほど、大きな効果をもたらしてくれるのかもしれない。