先日、冷房をつけたまま料理をしていて、ふと気になった。
「このまま換気扇を回したら、せっかく冷やした空気が外に逃げて、電気代が無駄になるんじゃないか?」
子どものころからなんとなく刷り込まれた“もったいない”感覚が、頭の片隅で警告を鳴らす。
気になったら試すか調べるしかない。
とりあえず、自分の部屋で実験してみた。冷房設定は27度、30分ほど安定させたあと、キッチンの換気扇を強で回す。すると数分後、なんとなく足元の涼しさが減った気がする。
でも、温度計を見ると室温はほぼ変わっていない。これは……気のせい?
調べてみると、理由はシンプルだった。
換気扇は部屋の空気を外に排出するが、その分だけ外気をどこからか取り入れる必要がある。つまり、冷房で冷やした空気が出ていき、その代わりに外の暑い空気が入り込む。
冷房の効率は確かに落ちるけれど、「全部無駄になる」ほどではないらしい。エアコンの能力にもよるが、しっかり回っていれば温度は維持されやすい。逆に小さな部屋や能力ギリギリの冷房だと、効きが落ちるのを体感しやすいそうだ。
さらに面白かったのは、気密性の低い家だと、換気扇を回さなくても外気は少しずつ入れ替わっているという事実。そう考えると、「換気扇で空気が逃げる=大損」というイメージはちょっと誇張されすぎなのかもしれない。
もちろん、ずっと回しっぱなしにするなら話は別。
調理中や匂いが気になるときだけ使い、終わったら切るほうが効率的だろう。
結果的に、私の中での結論はこうだ――「短時間なら気にせず使っていい」。
もともと予想はしていた範囲の結果だったけれど、実験と調査で裏付けが取れたことで、妙な罪悪感が消えた。
今後は、換気扇のスイッチを押す指が少し軽くなりそうだ。