LEDテープライトの失敗談

デスクツアーを眺めていると、必ずと言っていいほど目にするのが間接照明。
モニター裏からふわっと広がる光は、まるで部屋全体をワンランク上に見せる魔法のようで、見ているこちらもつい欲しくなってしまう。2年ほど前、そんな気持ちに背中を押されて、私もLEDテープライトを導入してみた。

もともと部屋の明るさにはまったく不満はなかった。だから「まあ飾りだよな」と思いつつ、有名ブランドのものが5mで2000円台と意外に安かったこともあり、試しに購入してみたのだ。
いざ壁側のデスク背面に沿わせて点灯してみると、これが想像以上の仕上がりだった。机の縁から淡くこぼれる光は金額以上に雰囲気があって、作業中の気分も上がる。
「意味なんてない」と思っていたはずなのに、モニター裏が明るくなるだけで空気が変わる。しかもWi-Fi経由でリモコン操作できたり、IoT機器と連動できたりと、単なる照明以上にガジェット的な楽しさもあった。しばらくは満足感に浸っていたと思う。

ところが、最初の落とし穴は意外なタイミングでやってきた。
導入してしばらく経ったある日、イヤホンで音楽を聴いたときに「サーッ」というノイズが乗っているのに気づいたのだ。最初は原因がわからなかったけれど、試しにLEDテープライトの電源を切ったらノイズも消えた。そこからさらに調べると、イヤホンだけではなくスピーカーからも小さなビリビリ音が出ていることが判明。しかもケーブル整理のためにデスク背面を覗き込んだとき、LEDテープライトそのものからもコイル鳴きの音がしていた。

ノイズに関するトラブルは過去に何度も経験がある。切り分けや改善を試みること自体は嫌いじゃないのだが、「ああ、これは泥沼に入るやつだ」と直感してしまい、結局そのまま使用をやめてしまった。
もしかしたら個体差もあるだろうし、上手に配線すれば回避できたのかもしれない。でも、もう一度試そうという気力は湧かなかった。

それ以来、デスクツアーでLEDテープライトをぐるぐる張り巡らせている人を見ると、「ノイズ、気にならないのかな」と思ってしまう。実際のところ、大なり小なり影響は出ているはずで、あとは本人が気にするかどうかの問題なのだろう。
少なくとも、私には無理だった。部屋は暗くても静かな方がいい。