配信者や動画投稿者のデスクツアー動画を見ていると、つい目が止まるアイテムがある。
コンデンサーマイクの定番「オーディオテクニカ AT2020」と、ダイナミックマイク界の憧れ「SHURE SM7B」だ。
正直、私の用途は友人や同僚との通話くらいで、録音作品を公開するわけでもない。それでも、デスクに鎮座するこの二つのマイクは妙に格好よく見える。
AT2020はまだこの程度の感覚で買う人はいるかもしれない。
でもSM7Bはどう考えても一般人には高価で、オーバースペックで、かつ性能を最大限に引き出すには口元ギリギリまで近づいて話す必要がある。
つまり姿勢が固定される。それに慣れていない私にとっては、物理的にも性格的にもハードルが高い。
だらっと背もたれに寄りかかり、ヘッドセットやUSBコンデンサーマイクで適当に話す生活に慣れた身では、きっと使いこなせないだろう。
そしてこれらのマイクを選ぶと、XLR接続という別世界が待っている。
オーディオインターフェースを選び、ケーブルを選び、ゲインを調整し……そう、「沼」だ。
その一方で、私の用途ならApple純正のEarPodsのマイクでも十分だったりする。実際、通話の相手から音質について指摘されたことはほぼない。
そう考えると、財布にも所有欲にもそこそこ優しく、使い勝手もUSB接続でシンプルな「AT2020USB-X」が落とし所として現実的だ。
もちろん、SM7Bを使いこなす日が来れば格好いいのは間違いない。でも、それはもう少し先、もしくは来ない未来かもしれない。
今の私には、見た目の憧れと日常の快適さ、その中間を取る選択がちょうどいい。